ここ数年、過酷な逆境的な体験をしている子どもや若者の支援に携わることが多くなってきました。深いトラウマとともに孤立感や自責感を抱えながら、自傷行為によって自分を助けながらも生きている人と多く出会います。(昨年529人の子どもが自ら命を落としています)出会って経験を聞かせてもらう度に不安定な養育環境の中で育っていることがわかります。「頑張れない自分が悪い」「存在しなければいい」「消えたい」「死にたい」という言葉が繰り返されます。そういった子どもや若者と話をすると自己責任のプレッシャーを与える今の社会がその苦しさを助長しているのだと考えさせられます。家庭や学校、SNSなどから孤独に追いやられるようなメッセージを受け取っている子どもたちは少なくありません。今できることはなんだろう?と考えてみると、出会った一人ひとりの子どもや若者とつながり、話し、自分のせいではないことを伝え続けるしかないような気もします。同時に安定した大人とのつながりが必要だという実感をもってもらうために家庭や学校、私たち支援者など周囲の大人(社会)に子どもが抱えているしんどさを知ってもらえるよう働きかけることも重要だと思っています。安定した土台はレジリエンス(回復力)を生み出します。その土台を今からつくるには子どもや若者のSOSを大人が受け取れるか…大人が自分の価値観を押し付けずに目の前の人を知ろうとする姿勢が問われているのだと考えています。
